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年金相談も大切なお仕事

依田「我が弟子よ、ついでに良いことを教えようぞ」
志郎「なんでしょうか、老師?」
依田「社労士の中には年金についての相談を行っている者もおる。まあこれは業務というよりもサービスの分類なんじゃが。」
志郎「えっ、社労士はそんなこともできるのですか?」
依田「うむ、元々、社労士の独占業務に公的年金手続き代行もあっての。実は社労士は雇用保険や厚生年金だけでなく、公的年金の専門家でもあるんじゃよ。」
依田「故に、サービスとして年金相談をしている社労士も結構いるのじゃ。もし、年金について分からないことがあれば社労士に相談するとよいぞ。」
志郎「老師…我々の世代まで年金制度はありますか?、という質問でも大丈夫ですか?」
依田「・・・・まあ、そのなんじゃ・・・がんばれ!!」

解説

社労士は社会保険を扱う立場から厚生年金に詳しいのですが、それだけでなく、国民年金を含めた公的年金の専門家でもあります。
その為、年金相談や手続の代行もすることができます。
実際、多くの社労士事務所ではサービスとして年金相談を無料で行っており、年金に関係する書類の書き方や、いつから年金がもらえるかなどの疑問の解決に貢献しています。

注目される人事労務管理コンサルタント

志郎「老師、はっきり言うと社労士の仕事は大切ですが地味ですよね。」
依田「まあ、そうじゃな。」
志郎「なのになぜ、社労士が今になって注目されるようになっているんですか?」
依田「フム、良い点に気づいたの。」
依田「しかしその答えも簡単じゃよ、要は会社側の姿勢が変わったんじゃ。」
志郎「つまりどういうことですか?」
依田「その前に、人事労務管理コンサルタントの重要性を教えておこう」
依田「元々、企業が円滑な経営を行うためには『人・モノ・金・情報』が不可欠じゃ。」
依田「まあ、中には『情報』を軽視している輩もおるが、それはともかく、いにしえのある戦国大名が『人は城』と言ったように、ある意味この『人』の部分は会社の経営にとって中枢ともいえる大切な部分なんじゃ。」
依田「じゃが一方で、人が絡んでいるだけにどうしてもトラブルが起きやすい。そこで、その『人』の部分についての相談を受けて、適切な助言や指導によりそのトラブルの芽を摘みとるのが人事労務管理コンサルタントの重要性なんじゃ。」
志郎「でも老師、そんなに大切なことなら以前から重視されていたのでは?」
依田「現実はそんなに単純でなくての、以前はこの重要性に気づかない経営者の方が多かったんじゃ」
志郎「いつも思っているのですが、日本人はどっか非常におかしいですね。」
依田「じゃが、近年は長い不況もあって、会社の人に対する意識も変わり、さまざまな労働問題に対し、社労士との相談や指導を必要とする会社が増えているんじゃ。」
志郎「ということは・・・」
依田「うむ、社労士の重要性と需要は今後、ますま増加していくということじゃな。」

解説

社労士の業務にはコンサルティングがあります。
会社の経営のために、 改善すべき点はあるか、あるとしたらどこか、どう改善するか、を考え提案したり、会社の資金繰り、人員 配置についてのアドバイスを行うケースが多いようです。
しかし中でも現在注目されてるのは、人事労務管理に対するコンサルティングです。

人事労務管理とは?

労務管理とは、従業員の活動について計画を立てたり従業員を組織化したりするために行う一連の施策や制度のことです。
具体的には労使関係に関する施策や制度、ならびに賃金、賞与、手当て、労働時間、休日・休暇、福利厚生など労働条件に関する施策や制度などが該当します。

人事労務管理とコンサルティング

企業が人を雇い、活動していくためには規則が必要です。
例えば、就業時間、賃金制度、福利厚生など、もしも決まりがなければ
労働者は安心して仕事をすることができないでしょう。
逆に企業にとって人材は重要な部分を占めるため、トラブルを防ぐためにも
労働条件等をハッキリと決めておく必要があります。
しかし、現実には、企業と労働者との間で守るべき規則の理解が食い違いやきちんと規則が定めていても守られていなケースがありトラブルの原因になっています。
社労士は企業の実態を細かく分析し、人事労務コンサルティングを行い、こうしたトラブルを事前に回避、あるいはトラブルが発生した後でも穏健に解決する大切な存在です。

何故、人事労務管理が注目されているのか?

社労士はこれまではあまり注目されていなかった業種ですが、最近は厳しい不況による労働問題の深刻化などもあり、人事労務管理の重要性が再認識され、会保険労務士との相談や指導を必要としている会社が増えています。
このような環境はむしろ今から社労士を目指す人にとって追い風になるといわれています。

メインの仕事は代行業

志郎「そういえば、老師は以前、社労士のことを『社会保険と労働保険を専門にしている代書屋さん』と表現していましたが・・・」
依田「うむ、覚えておるぞ」
志郎「しかし、先ほどの老師の説明を聞く限り、そのような感想は受けなかったのですが・・・」
依田「それは簡単じゃ、我が弟子よ。要するに法律上の規定と現実のギャップじゃ。」
依田「確かに代行業は法律に定められている社労士の業務の1つでしかない。じゃが、現実には社労士の業務といえばほとんどこれなんじゃよ。」
依田「考えてもみよ、タイムカードや就業規則をつくったり、人事配置などの相談が毎日あると思うか?}
志郎「・・・普通はないですね・・・」
依田「その通りじゃ、じゃが保険関係の手続きは人を雇用している限り日常的に起こりうる。よって、必然的に社労士の業務は手続きの代行がメインになるんじゃよ。」
志郎「なるほど、だから社労士が『社会保険と労働保険を専門にしている代書屋さん』と表現されてしまう訳ですね。」
依田「理解したか、我が弟子よ?」

解説

社労士の主な業務は、社会保険労務士法第2条に定められている3つです。
しかし、現実には、「社会保険・労働保険の加入手続き」や「厚生年金保険の月額算定基礎届け」「月額変更届け」などの事務手続きの代行(1号業務)が多いようです。

日常的な保険手続

人を雇用している限り保険関係の手続きは日常的に発生します。
例えば、会社で新しく従業員を雇った場合、「雇用保険資格取得届を公共職業安定所に提出」「健康保険・厚生年金保険資格取得届を社会保険事務所に提出」が必要になります。
また逆に、退職者が出た場合、「雇用保険資格喪失届を公共職業安定所に提出」「健康保険・厚生年金保険資格喪失届を社会保険事務所に提出」という業務が発生します。
特に人の入れ替わりが激しい会社などでは、これらの手続きを代行して処理してくれる社労士は必要不可欠な存在といえるでしょう。

その他の手続き代行

実は社労士の手続き代行は社会保険と労働保険関係に限られるものではありません。
特定の要件を満たせば、会社は国から助成金を受け取ることができますが、この助成金申請の手続きを代行するのも社労士の代行業務の一つです。
ある意味、会社が助成金を受け取れるか否かは社労士次第ということですから、数ある手続き代行の中でも最も重要な仕事といえるかもしれません。