志郎「老師、質問です。社労士はどのような点が魅力なのですか?」
依田「うむ、これもまた良い質問だ。今から社労士の魅力を教授するから心して聞くがよい。」
依田「社労士の魅力は一般的に次のようなことがあげられておる。」
- 仕事をしながら、短期間で取得可能である上、一度取得すれば一生使える資格である
- 経営の要素、「人」に関わるスペシャリストとして実際に役立つ資格である
- 社労士しかできない独占業務があり、安定した収入が得られる可能性がある
- 今後、ますます活躍の場が広がることが期待されている業種である
依田「どうじゃ、これを聞けば労務士の資格を取得したくなるじゃろう。」
志郎「はい、老師・・・でもなぜ、収入の点だけ断言ではないのですか?」
依田「うむ、それはあれじゃ・・詳しくは資格を取得してからじっくり教えてやろう。」
志郎「はあ・・・」
解説
「社会保険労務士」は今とても注目されている資格の一つです。
その理由は主に次のようなものです。
短期間で取得可能である上、一度取得すれば一生使える資格である
社労士試験は範囲も広く、決して簡単な試験ではありませんが、難関と言われている司法試験や公認会計士試験と比べて、仕事をしながら短期間で合格が狙える数少ない国家試験です。
また、一度取得すれば、更新の必要はありませんので、一生の資産となります。
ただし、これは単に「社労士になるための資格」を一生持ち続けることができるというだけで、社労士として活躍するには常に最新の知識を身に着けていくことが求められます。
経営の要素、「人」に関わるスペシャリストとして実際に役立つ資格である
企業経営を円滑に行うためには、「人(従業員)・モノ(商品など)・金(資本)・情報」の4つの要素が不可欠です。
特に会社は人を1人でも雇えば、「人の問題」すなわち、労務管理の問題というのは出てきますので、その労務管理の専門家である社労士が不要になるという事態は事実上ないのです。
また、社労士に求められるのは雇用保険などの各種保険の知識や雇用・就業・人事などの問題の解決の能力ですから、仮に社労士ではなくどこかの企業に一般社員として就職したとしても、資格取得の際に得た知識等は「雇用環境はどう変化しているの?」「こんな時はどんな保険の適用があるの?」と疑問に思った時などあらゆる場面で役に立ってくれることでしょう。
社労士しかできない独占業務があり、安定した収入が狙える
社労士の業務は大きく3つに分けられます。
- 行政機関への提出書類の作成、手続き代行、事務代理
- 事業所に備え付けが義務付けられている帳簿書類を作成
- 企業の人事・労務管理や、企業・自営業者・個人の年金問題等に関するコンサルティング
1と2は社労士として登録していないとできない、独占業務であり、また3は独占業務でこそりませんが、これらの業務の一環として就業規則の見直しも併せて行うことができるのが社労士の強みです。
これらの事柄は会社の経営にとって不可欠であるので、社労士の仕事がなくなることはなく、また、毎月の給与計算や、顧問として相談業務、入退者の手続きを行うことで安定的な収入の確保につながります。
躍の場が広がることが期待されている業種の1つ
近年、各企業とも「人」の重要性を認識しはじめていることもあって、 社労士が従来行ってきた「様々な書類の作成や手続きの代行」という業務だけではなく、 社労士の専門知識を活かしたコンサルティング業務への期待も高まっています。
さらに平成19年4月より、特定社労士があっせん代理ができるようになりました。
ちなみに、「あっせん」とは裁判になる前に、行政が間に入って解決する裁判外紛争解決のことであり、「あっせん代理」とは、社労士が当事者の代理としてこの手続きを行うことができることです。
労働相談の件数は年々増加しており、あっせんの申請受理件数も増加し続けています。こういった職場のトラブルを迅速に解決する、労働関係法令のプロとして期待されています。
また、最近は厳しい不況による労働問題の深刻化や、医療・年金制度が不安視されている中で、社労士は正しい知識を提供できるアドバイザーとして社会的ニーズも高まっています。